寺子屋稼業のかたわらで

京都、ときどき栃木。

夏の真ん中、盆地の底

アスファルトでミミズが干からびている。

 

時節柄べつになんということのないはずの画が、どうにも他人事とは思えない。

水を求めて地に焼かれるのと、「そういうことになっているから」という誰が言ったか分からない理屈で日に照らされているのと。

万物の霊長、などと言っても、所詮はその程度であるらしい。

 

市バスの停留所は霧を振り撒いている。

どこぞの大都市では、オリンピックを打ち水で乗り切ろうというリーダーがいると聞いた。

どうやら役所だけは、エアコンの設定温度を28度から動かさずにいると見える。

 

夕立というにはあまりに大仰で慈悲のない雨が降って以来、それを埋め合わせるように晴天続きだった。

祭の人いきれが、すえた臭いに変わって烏丸通に漂っている。

 

気の早い台風が回り道をしなかったら、盆地の7月が終わることは無かったのかもしれない。

通勤路は吹きちぎれた街路樹や、どこのものともしれない空き缶で、私のデスクとさして変わらない光景が広がっている。

ビルとビルの間を抜けていく風に、アスファルトの色艶。

八坂さんも流石に、このままではマズいと思われたのだろうか。

 

エアコンの効いた部屋で、来ない生徒を独り待っている。